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執筆者の写真 カトリック戸塚教会

2022年5月8日 復活節第4主日

ヨハネ10:27-30


今私たちは、復活節という喜びの時を過ごしています。しかしイエス様が復活された出来事と今を生きている自分がどうつながるのか、どうつながったらよいか、それがよくわからないと感じておられる方も多いのではないでしょうか。イエス様が復活されたという出来事が2千年前のことだけでなく、今も、私たちと共にここに実現しているということ。お姿を見ることはできなくても、イエス様が私たちと共にいてくださる。そう思うことができるなら、そう信じることができるなら、私たちはどんなに喜びある生活を送ることができるでしょうか。私たちが力を失って歩んでいるとき、私たちが気づかなくても、復活されたイエス様は、共に歩んでくださっています。支えてくださっています。


今日の福音でイエス様はご自分と私たちとの関係を善き羊飼いと羊のつながりとして表されます。そしてその中でカギとなるのは、「聞く」という言葉です。この「聞く」ということは、ただ耳で聞くということではありません。私たちも誰かの言うことを聞くというとき、それはただ聞くのではなく、聞いて受け止め、従うことを意味します。羊が羊飼いの声を聞くのは、自分たちを導いてくださる方の声に聞き従っていくためです。同じように私たちがイエス様の声を聞くのも、イエス様が教えてくださる神様の呼びかけに耳を傾け、それに従っていくためです。そしてもうひとつのカギとなる言葉は「知る」という言葉です。イエス様は「私は彼らを知っている」とおっしゃいます。この「知る」はただ単に知識として知っているというのではなく、むしろ、両者の深いつながりを表す言葉です。私たちが誰々さんを知っているというとき、それはただ名前を知っているということではなく、その人がどういう人か、その人とのつながりを通して知っているということです。


イエス様が「私は彼らを知っている」と言ってくださるのは、イエス様は私たち一人ひとりのことをただ知識としてではなくて、私たち一人ひとりとのつながりを通して深く知っていてくださることを意味します。そしてそれは、私たちにとってとてもありがたいことです。イエス様が自分のことを知っていてくださる。自分の悩み、苦しみ、また喜びも知って、この私を本当の喜びに導いてくださる。その私たちの善き牧者であるイエス様が望まれることは、私たちもイエス様を知っていくことです。イエス様のことをただ知識として知るのではなく、自分の体験を通してイエス様を知ることができていると心から言うことができるようになること。そしてイエス様の声を聞き分け、イエス様に従っていくことができるようになることです。


そのイエス様と自分とのつながりを普段の生活を通して深めていくために私たちは何を大事にしていったらよいでしょうか。私がよく思う、私たちが大事にしたらよいことの一つは、普段の生活の中でいつも心の中で「イエス様」とイエス様に呼びかけていくことです。心の中で「イエス様」とイエス様の名を呼んでみること。そうするだけで、私たちはイエス様とつながることができます。イエス様のお姿を私たちが直接のかたちで見ることは、今はできないでしょう。それでも復活されたイエス様は、「私はいつもあなたがたと共にいる」と約束してくださいました。目で見えなくても、イエス様は私たちの中に共にいてくださる。そのイエス様にいつも心の中で「イエス様」と呼びかけていく、それを大事にする。もう一つ大事にすることをあげるならば、それは私たちが聖堂に入る時、イエス様に「イエス様、私はあなたに会いに来ました」と心の中でイエス様にあいさつすることです。


この聖堂はただの建物ではありません。イエス様がいつもいてくださる場所、私たちを待っていてくださる場所です。そして私たちが心を開いて、イエス様に何でもお話できる場所です。聖堂はそういう意味で特別な場所です。私はこの聖堂で静かな祈りの時間を過ごすことが好きです。目を閉じ、肩の力を抜いて、心をイエス様に向けていくこと。それを大事にしていくなら、何か心の中が変えられていくことを感じます。人間的な思いではなく、イエス様が教えてくださるあたたかさと心の平和をいただいて、イエス様の心で物事をもう一度見つめ直していく。人間的な思いで物事を決めずに、イエス様の心に合わせて物事を判断していく。そのような思いに自分がなることができるのも、イエス様の前に自分を置いて、イエス様と共に過ごす時間を大切にしていくことによって与えられるものだと思います。


復活節第4主日の善き牧者の主日のミサに与っている私たちが、私たち一人ひとりのことをよく知っていてくださり、その上で導いてくださるイエス様との絆、つながりをもっともっと強めていくことができますように。そしてイエス様とつながって歩むことを通して、私たちも本当の喜びに与っていきたいと思います。






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