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執筆者の写真 カトリック戸塚教会

2023年1月1日 神の母聖マリア

ルカ02:16-21


教会は1年の最初の日を神の母聖マリアの祭日として祝います。私はこの一年を始めるにあたって素朴に素直な心で神の母となられたマリア様の御保護を求めたいと思います。そして自分としてこの一年の歩みを進めていくときに、マリア様と心を一つにして歩むことを大切にしたいと思っています。マリア様と心を一つにするとは、自分に理解できないことであっても、また将来が予測がつかないことであっても、ただ神様の力と、決して誤ることのない導きを信じて、ひたすら神様の思い、み旨がこの世に実現していくことを求めていくことです。そしてそのために自分を差し出すことです。


今日の福音で「マリアはこれらの出来事をすべて心に納めて、思い巡らしていた。」(ルカ2:19)とありました。私たちにもこのマリア様の態度が求められます。いろいろな出来事を心に納めて思い巡らしていくこと。そしてその中に神様からの呼びかけを見出していくこと。私たちの日常にはいろいろなことが起こります。うまくいかないこと、苦しいこと。時には自分のあり方を見つめ直す必要に迫られることも起こります。でもそれらを静かに受けとめて、その出来事に秘められた意味を見つめていくこと。そのためにマリア様のように出来事を心に納め思いをめぐらす態度が大事なのだと思います。普通だと思っている出来事の中に神様からの働きかけを見つけていくこと。神様の望み、思いを感じ取っていくこと。今、この私に神様は何を望んでくださっておられるのだろうか。1年の始めに、心静かに思いめぐらしてみる。この新しい年をどのように過ごしていったら一番よいのか見つめてみる。そのような1年の始まりの日にしたいと思います。


新しい年の最初の日、教会は世界平和の日として世界の平和の実現のために祈りを呼びかけます。私たちも世界平和の日にあたって、世界の現実に目を向け祈りたいです。今、世界で起こっていることを見つめること。私は主の降誕の日、いろんな教会から出されたメッセージに耳を傾けてみました。その中で次のメッセージが心に残りました。それはイエス様が馬小屋で飼い葉おけに眠る幼子として誕生されたのは、このような状況で生まれる子が自分で最後になるようにということではなかったのかということです。馬小屋も飼い葉おけも幼子が生まれ眠るのにふさわしい環境ではありません。今の世界の現実の中にも、人が生活するにふさわしくない環境の中に置かれている人々が数えきれないほどいます。その状況に心を向け、心を合わせて祈りたいです。そして同時に神の母聖マリアの祭日として、マリア様が私たちの母としていてくださることに心を向けたいです。マリア様は私たちの母、そして教会の母としてともにいてくださいます。そしてそれは私たちにとって大きな恵みです。


平和の実現のために、私は母の心でこの世界で起こっている出来事、現実を見つめることが大切だと思います。母親は自分の子どもが病気のとき、また様々な苦しみの中にあるとき、その子の痛みと苦しみをなんとか取り除いてあげたいと心を尽くします。それが母親の自然な思いです。この地球上、世界中の苦しんでいるところ、病んでいるところ、その中で手当が必要な所をマリア様と心を合わせて母の心で見つめていく。そして手を差しのばしていく。そのような態度を大事にしていきたいです。


マリア様が出来事をいつも心に納めて思い巡らし、その中で神様のみ旨に従おうとされたように、この世界の現実が私たちに求めていることに私たちも心を向けて、新たな心で歩み出していくことができますように、年の最初の日にあたって祈りたいと思います。


この新しい年が、恵み多い、そして神様の呼びかけに私たちがしっかり応えていくそのような1年にしていくことができますように祈りましょう。












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