top of page

2023年5月28日 聖霊降臨

  • 執筆者の写真:  カトリック戸塚教会
    カトリック戸塚教会
  • 2023年5月27日
  • 読了時間: 4分

ヨハネ20:19-23


聖書と典礼の表紙にマリア様と一緒に心を合わせて祈る弟子たちの上に聖霊が注がれている絵が描かれています。イエス様の昇天後、マリア様と弟子たちはしっかりつながって共に祈っていました。そこにイエス様が約束された通り聖霊が注がれました。これが教会の誕生の場面だったということです。私は、今でも教会はこの時と同じようにマリア様と心を合わせて聖霊を求めて祈ることが大事だと感じます。


弟子たちは教会の活動を始めるにあたって、聖霊の働きを強く感じました。これまで父である神から遣わされた者としてイエス様が地上で行なわれてきたことを、これからは弟子たちが引き継いでいくことになります。そして弱い人間である弟子たちがこの使命を生きることができるように聖霊という神の息吹、神の力が与えられます。イエス様を置いて逃げてしまった弟子たちも、イエス様から聖霊を受けることで、神の愛を証しする者に変えられていきました。イエス様が歩まれた道と同じ道を歩むようになっていきました。そして最後はイエス様と同じように命を捧げました。

イエス様が天の父のもとから送られる聖霊は、人をあたため、励ましと導きを与えます。聖霊は、神に逆らう働きに対して神の光で照らしていきます。深い闇の中にあった弟子たちを真の光の世界に導いたのも聖霊です。そしてその同じ聖霊が現代を生きている私たちにも働きかけてくださっているのです。大切なことはいかに私たちがその聖霊の働きに気づき、それを感じ取っていくことができるかです。そして自分の中に聖霊が働きかけてくださっていることを実際に体験していくことです。普段の生活の中で困難や損に思える生き方のうちに喜びを見出していくような体験。神様が目に見えないかたちで自分を支えてくださっておられることを感じる体験。そのような体験の中に聖霊の導きを見出すことができます。損が損ではなかった、やはりこれでよかったのだと心から思える出来事の中に、人を真のいのちに導く聖霊の働きがあります。

聖霊は、私たちがイエス様からの使命を引き継ぎ、人々に神様の存在とその働きのすばらしさを証ししていくために働かれます。そして聖霊は神と人、人と人とのつながりを強め、より深いものとなるために働かれます。イエス様が言われる「聖霊を受けなさい。だれの罪でもあなたがたが赦せば、その罪は赦される。」という言葉の意味は、聖霊は、神と人、人と人との関係を修復し、取り戻すために与えられるということです。聖霊の働きの特徴は、関係を強めること、絆を取り戻すことにあります。

弟子たちが体験した聖霊降臨という大きな出来事を、何か特別な日の出来事と取るのではなく、私たちにとっても毎日が聖霊降臨なのだと思うことができたら幸いです。私たちが日々聖霊に満たされて行動することができますように。また聖霊の導きを識別し、聖霊の呼びかけに心から応えて生活できますように祈りたいです。

私はこの大切な聖霊が、私たちの心にいつもとどまってくださるために私たちがすべき大切なことをあげたいと思います。一つは、沈黙のうちに祈る時間を持つこと。そして聖霊は私たちが願い求めなければ私たちの心が聖霊で満たされることはないということを心に留めること。

二つめは、弟子たちに聖霊が降ったとき、マリア様がいっしょに祈っておられたことを思い起こすこと。聖霊降臨とマリア様の存在は深いつながりがあります。だから、私たちも聖霊を求める時、マリア様と共に祈ることを意識する。私たちがマリア様と心を合わせて祈るとき、聖霊が注がれるでしょう。


私たちの生活の中にはまだまだ十分でないところ、足りないところがたくさんあります。そしてそれは決して人間の知恵や力だけでは乗り越えることができないでしょう。今日、聖霊降臨の大きな出来事を祝う私たちが、聖霊の働きの必要性と、その働きを見出す力を願っていきたいです。そしてこれからの毎日が私たちにとっても聖霊降臨の日となっていきますように祈りたいです。

 
 
 

最新記事

すべて表示
2025年10月12日 年間第28主日

ルカ17:11-19   重い皮膚病を患っていた10人の人がイエス様によって清められます。重い皮膚病は特に苦しみが大きいものです。私は以前、修練者だった時、静岡県御殿場にある神山復生病院で、1ヶ月の実習をさせていただいたことがあります。そこで療養されている人々との出会いの中...

 
 
 
2025年10月5日 年間第27主日

ルカ17:5-10   イエス様は畑で働く僕が仕事を終えて帰ってきた後、その僕が自分を雇ってくれている主人の夕食の準備をすることを話されます。畑で仕事をして疲れて帰ってきて、さらに続けて主人の夕食の準備を僕がすることは、きっと重労働だったでしょう。でもイエス様は、僕は自分に...

 
 
 
2025年9月28日 年間第26主日

ルカ16:19-31 今日は「世界難民移住移動者の日」で、そのために献金が捧げられます。この世界で難民として、また自分の故国を離れて移住せざるを得ない人々の抱える問題の多くは貧困だと思います。生きてゆくこともままならない貧困のゆえに移住・移動しなければならない人々。富める国...

 
 
 

コメント


© 2020 by Totsuka Catholic Church. Proudly created with Wix.com

244-0002 横浜市戸塚区矢部町641

(TEL)045-881-8882

(FAX)045-865-2026

bottom of page